忍者ブログ
亀更新で二次創作やおいを徒然なるままに書き散らすブログです。ジャンルは様々気が乗った時に色々と。基本は主人公受け強気受け兄貴受け年下攻めで。でもマイナー志向もあり。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 何故こんなことになったのか、安原は考えに考え、結局思考を停止した。
 常識よさようなら。
 今更柳瀬絡みの事柄を考えるだけ無駄である。
 柳瀬ことゴードンの妻になり、ついでに組織入りさせられてから、安原は思いっきり日和見主義をつらぬいている。
 藪を突いて蛇が出るのは誰だって嫌だ。
 男同士で結婚して、しかも相手は何万年も生きているかわからない地球外生物である。
 状況になれつつある自分にうんざりする安原だった。



 安原の特技は嘘話と毒舌だが、実は家事一般も得意である。
 嫌がらせのために、同じような境遇の女子生徒にフリフリの制服を自作してあげたら、大喜びされてしまったこともある。
 そこで今回の問題が起こってしまった。
 柳瀬は学校では手作り弁当なのだが、その弁当はほとんど味がしない。
 なんでも、「戦場では何でも食べられなければ生きていけなかった」かららしいが、いくら二人の側には莫迦しかいないと言っても、組織のことを隠す気がないとしか思えない柳瀬の発言には胃が痛くなるばかりだ。
 そんな安原に、マシンガントレイシーは笑顔で提案した。


「じゃあ、ミンミンが作ってあげればいいわよ」


 ちなみに安原のコードネームはトンファーミンミンである。
 制服はチャイナ服だ。女子の陰謀である。



 女性陣に押し切られる形で、柳瀬に手作り弁当を作ることになってしまった安原だが、これって愛妻弁当とかいうんじゃあと思ってひとり赤くなった。
 結婚はあくまで組織の掟のために、死にたくないから選んだだけで、自分とゴードンの間には関係らしい関係など何もない。
 それでも組織での安原の立場はゴードンの妻であり、学校では不本意ながら公認カップルである。
 これで弁当など手渡したら、愛妻弁当呼ばわりされることは間違いない。
 だが、弁当を作ってやったら、柳瀬がどんな反応するだろうなと思ってしまった安原は、色鉛筆で設計図のようなものまで作って、栄養バランスのとれた豪華弁当を作ってしまった。



「柳瀬、弁当作ってきたんだけど」


 もちろん食べるよなという気迫を込めて、安原はにっこりと笑った。
 安原の笑顔に圧されたのか、柳瀬は黙って弁当を受け取った。


「おいおい愛妻弁当かよ。安原のことだから毒でも盛ってんじゃないのか」


「まさか、佐藤くんじゃあるまいし」


 案の定予想通りの言われようだったが、安原は柳瀬の動向をじっと見つめていた。


「大丈夫だ。毒には身体をならしているからな。大抵の毒はきかん」


「それが夫の言う台詞かぁぁぁぁ!!!!!」


 安原は見物していた莫迦二人を蹴散らして教室から出て行った。



「……夫?」


「まさかとは思ったけど、やっぱり」


 安原に蹴り飛ばされた莫迦二人は、こそこそと話しこんでいたが、残された柳瀬は安原特製豪華弁当を、米粒一粒残さずにたいらげると、めずらしく瞳を開いて言った。


「うまい」


 食べ物が美味いって言うのは、こういうことだったんだなと、柳瀬はひとり感心していた。

拍手[1回]

PR

拍手の再録です。組織やゴードン関係以外の安原の日常をちょっと書いてます。



 高橋と安原の仲は最悪に悪い。
 相性も悪いが、佐藤の奪い合いという側面もある。
 高橋は佐藤の弟子を志望しており、安原は従兄の佐藤をほとんど崇拝している。
 安原の嘘を高橋にばらされる事もあり、二人の中がよくなるわけもない。
 そんなある日、高橋が安原に向かって言い放った。


「一郎君、一郎君って、いくら従兄だって、ちょっとウザイんじゃない。ホモじゃないの」


 と、暴言を吐いた。
 お前こそどうなんだと言いたいところだが、安原は叫んだ。


「俺の一郎君への想いは純粋だ! 柳瀬とは違うんだ!!!!」


 へー、柳瀬とは違うんだーと、聞いたものは全員が思った。
 やっぱりねーというのが大方の意見である。
 柳瀬は一人で、俺への想いは不純なのかとずれたことを考えていた。
 佐藤は何事もなかったかのように普通だった。
 高橋は安原のホモ疑惑を深めて、佐藤へ近づかせないことを固く誓った。
 安原はホモではない。
 乙女なだけである。


拍手[0回]


 不本意ながら、安原は組織に馴染んでいた。
 安原と同じく騙されるように問答無用で組織入りしたパーカーこと里見今日子の組織での制服を作ってやったり。
 それも嫌がらせのために超可愛らしい服を作ったのに、今日子には喜ばれてしまう始末。
 女性幹部たちの陰謀でトンファー=ミンミンなどという愉快なコードネームをつけられ、制服はチャイナ服という生活にも慣れた。
 ゴードンが脱皮するという事実は衝撃的だったが、宇宙人だからと諦めた。
 組織の幹部たちとは友好的な関係を築いているといってもいい。
 内心はともかくとしてだが。
 どんな状況にも人間は慣れるものなのだ。
 だがどうしても慣れないことというのもある。
 それは、実の父が敵対組織である地球防衛組の若頭であるという現実だった。
 正直に言えば、従兄の一郎が所属しているというのは、安原にとっては魅力的ではあったが、組に入ると、自動的に組長にされてしまうので絶対避けたい。
 そもそも組織を抜けるときは死ぬときなので無理に決まっている。
『二重スパイすればいいだけじゃないか』という父の言葉には、人として頷けない。
 それに問題はそれだけではない。
 実質的なことは何もないが、安原は組織の幹部である皆殺しのゴードンの妻なのだ。
 父にそれがばれるのは避けたい安原だった。
 父にばれるということは、一郎にばれることに直結する。
 それは嫌だ。
 学校で既に公認となっていることは忘れている安原だった。
 そんな時、長官の息子のジョンから組にスパイに行ってくれと要請があった。
 最初は嫌がっていた安原だったが、パーカーを人質に取られ結局行くことになった。
 嘘ばかりついているが、お人よしなのだった。


「今日は仕事場の風景でも見ていってくれ」


 父の言葉どおりに組の仕事場を見回ると、どこにいっても美女美少女ぞろい。


「どうだ。ギャルゲーの主人公気分でいい仕事できそうだろ」
「なに考えてんだ、あんたは!」


 こんな男が何故父親なのだろうか。
 絶対おふくろにチクってやろうと心に誓った安原だった。
 頭が痛くなってきた安原だったが、天敵との戦闘部隊の中にゴードンを見つけて仰天した。


「何してんだよ、こんなところで」
「俺は傭兵だ。雇われればどこにでも行く。というか、お前こそ何してるんだ」
「俺は偵察だよ。傭兵って、組織の幹部じゃなかったのか」
「かけもちしてるんだ」


 別にかけもちでもなんでもいいが、この新たな事実に安原は錯乱して叫んだ。


「この俺という妻がありながら、こんな女だらけの職場で何やってんだ!」
「はぁ?」


 時が止まった。


「今のはなんでもない! なんでもないんだ!!」
「那智?」


 ゴードンこと柳瀬に始めて名前呼びされた安原だったが、お互いそのことには気がつかなかった。
 脱兎のごとく駆け去る安原を、超スパイの金さんは、


「若いとはよいことですな」としみじみと呟いていた。


 残されたゴードンは、安原って時々可愛いなと腐ったことを考えていたが、そこまで考えていながらやはり自覚はなかった。


「組はどうだった?」
「わかりませんでした」


 組織に戻って、安原はジョンにそう答えるしかなかった。
 安原はもう気がついてもいいころだと誰が見ても思うだろう。
 だが、そんなことは有り得ないと思っている安原にも、自覚の波はなかなか押し寄せてはくれないのだった。


拍手[0回]


そんな奴はいねぇ!の柳瀬×安原というか、ゴードン×安原です。
基本はギャグで、Hはそのうち入れるかもしれませんが、じりじりと進みます。
よろしければどうぞ。

拍手[0回]


カレンダー 
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
フリーエリア 
最新コメント 
[02/08 ボンバー尊氏]
[12/14 炎]
[12/11 炎]
[12/10 炎]
[11/29 noriko]
最新トラックバック 
プロフィール 
HN:
亜積史恵
HP:
性別:
女性
趣味:
読書。ゲーム。
自己紹介:
おたくです。腐女子です。半病人です。
バーコード 
ブログ内検索 
P R 
カウンター 
アクセス解析 


忍者ブログ [PR]