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亀更新で二次創作やおいを徒然なるままに書き散らすブログです。ジャンルは様々気が乗った時に色々と。基本は主人公受け強気受け兄貴受け年下攻めで。でもマイナー志向もあり。
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壬生の独白です。
ちょこっと最後に如月が。
未来の話です。

 龍麻、君は今どこいるんだい?
 僕は任務を止めて、新しい仕事についているよ。
 君は必ず帰ると約束してくれたけれど、それでも不安で仕方がなくなる時があるんだ。
 もちろん、君を信じてないわけじゃない。
 ただ、僕の知らない場所で、君が危険な目にあっていないか、それを心配してしまうのは仕方のないことだろう。
 ああ、もちろん君はとても強いけれど、とても危ういのも事実だからね。
 そんなことを言えば、きっと君はすごく怒るだろうね。
 顔まで思い浮かぶよ。
 
 
 僕は今、M+M機関という退魔を生業とする組織に所属しているんだ。
 仕事で人を殺めてきた僕を、君は一度も責めなかったけれど、暗殺という仕事のあとで君に触れるのは、いつだって苦痛だった。
 館長を恨んだことはないし、それは僕が自分で決めたことだったけどね。
 つらくないと、思っていたんだ。
 君に会うまでは。
 殺人者の僕が君に触れるのは、君を汚すようで怖かった。
 そんなことはないって、君は怒ったけど、これは僕の心の問題だから。
 どんなに君が否定してくれも、本当に怖かったんだ。
 君は自分の手だって血塗れだと言ったね。
 だけど、僕と君では、やっぱり違う。
 僕は仕事を言い訳にしていたけれど、君は自分の手を汚すとき、すべて自分で背負う覚悟がいつだってあった。
 その強さがいつだって眩しくて、惹かれずにはいられないのに、それを罪のように感じる自分がいたんだ。
 だから、館長に頼んで仕事を止めさせてもらった。
 館長は謝ってくれたよ。
 今まですまなかったって。
 そんな必要ないのにね。
 これは、僕の我侭だから。
 退魔を仕事に選んだのは、少しでも君と同じ世界にいたかったからなんだ。
 どんなに離れていても、どこかで接点が欲しかったのかもしれない。


 僕は君の半身として、本当に相応しいんだろうか。
 学生のときは考えない日はなかったよ。
 だけど、そんなこと関係なかったね。
 半身だから僕は君を好きになったわけじゃないし、そんなことだけで君を繋ぎとめられるほど、君は軽い存在じゃない。
 少しは自信がついたと思う。
 君に必要とされているって、今はちゃんと思えるよ。
 蓬莱寺くんに嫉妬していた自分が馬鹿みたいだね。
 僕は君の相棒にはなれないし、なりたいわけでもない。
 如月さんが君の帰る場所で、僕は君の半身だから、離れているのは寂しいけれど辛くはないよ。
 退魔の仕事の関係で、如月さんとは前より頻繁に行き来してる。
 話すのは、君のことばかりだけど。


 ひとつの場所にいられない君に、ついていけたらどんなにいいだろうと本当は思っているんだ。
 でも言わないよ。
 君を困らせるつもりはないんだ。
 ずっといっしょにいたいけれど、君を縛るのは嫌だしね。
 すまないと思って欲しくないんだよ。
 君を待つのは僕の勝手だから。
 自分勝手なのは僕のほうなんだ。
 待つのは嫌いじゃないよ。
 帰って来てくれるって知ってるから、待つのも楽しいんだ。
 共にいられない代わりに、こうやって僕は空に手紙を出している。
 この声が君に届かなくても、空を見るたびに君を想う僕は幸せだよ。
 新しいオフホワイトのセーターを編んだんだ。
 僕の退魔の腕も上がったから、守護つきのセーターは自信作なんだ。
 きっと君に似合うと思う。
 君が帰って来たら、如月さんの家でお披露目しようね。
 如月さんもきっと喜んでくれるよ。


 麻麟さんと如月さんは相変わらず睨み合いをしているよ。
 みんな苦笑してるけど、あれはあれで仲がいいんだろうね。
 僕には優しいのに。
 君がいない間に、麻麟さんはとても綺麗になったよ。
 求愛者が群れを成しているけど、お眼鏡にかなった人間はいないみたいだから安心していいよ。
 東京の瘴気にも耐えられるぐらい元気になった彼女には、時々仕事を手伝ってもらってるけど、これも君には内緒の約束なんだ。
 妹には過保護すぎる君に、こんなこと知られたら、僕にも黄龍だろうね。


 いつだって龍麻に会いたいよ。
 どこに行ってもいいから、いつか僕のところに帰って来てくれるなら、僕はいつまでだって待てる。
 そして、絶対に言わないけど、いつか君と歩める日が来ればいいと願っているよ。
 だから、その日まで、待っていて欲しいんだ。
 必ず足手まといにならないぐらい力をつけるから。
 もちろん言わないけどね。


「愛してるよ、龍麻」


「毎回毎回、うちの縁側でトリップするのはやめてほしいものだよ……はやめに回収に来て欲しいんだが」


 骨董屋の若主人は、温めのお茶をすすると、深いため息をついた。

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