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亀更新で二次創作やおいを徒然なるままに書き散らすブログです。ジャンルは様々気が乗った時に色々と。基本は主人公受け強気受け兄貴受け年下攻めで。でもマイナー志向もあり。
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ランサーのことを好き過ぎるアーチャーです。
性描写があります。自己判断でお読みください。


 戦闘とは無縁な日常を心底楽しんでいるように見えるランサーを、アーチャーは不思議に思っていた。
 聖杯戦争中は、あれほど楽しめる戦いを望んでいたくせに、ランサーはいつの間にか日常に溶け込んでいる。
 存在を賭けた戦いを互いに交わしていた瞬間、何度も獣のような男だと思った。
 その瞳は獲物を狩る野生の獣の瞳だった。
 赤い瞳は、神の血筋の証だという。
 半神の英雄は、戦いの中でこそ輝くものだと思っていた。
 だが、何もない毎日を楽しそうに過ごす男が、同性の目から見てもひどく美しいことをアーチャーは最近になって、はじめて気がついたような気がした。
 男の美醜に興味がなかったからというわけではないが、アーチャーにとってランサーという存在は、敵でありながら憧れや劣等感を掻き立てる複雑な存在で、あまり外見は関係なかった。
 魔力補充という理由をつけて、ランサーに抱かれたときも、捕らえられていたのは飢えた赤い瞳だった。
 彼は少年の頃、少女と見まごうばかりの美少年だったという。
 今では血の匂いがする野性的な表情だが、よく見れば、その整った造作は確かに美しいといえる。
 ふとした拍子に彼に見蕩れている自分を、アーチャーは突然自覚して自己嫌悪に陥った。
 何を考えているんだ、いったい。
 表情が変わらない性質(たち)で助かった。
 衛宮家の居間で、ケーキを食べながらTVを見ている凛とイリヤにばれたら何を言われるか、わかったものではない。
 紅茶の用意をしながら、ランサーから視線を外して、アーチャーは深く溜息をついた。



 夜半を過ぎると、いつものようにランサーが忍んできた。
 もう習慣になってしまった逢瀬を、アーチャーは頑なに魔力補充のためだけだと自分にもランサーにも言い聞かせている。
 その訪れを望んでいる自分を、アーチャーは自覚したくなかった。
 本当に欲しいのは魔力でも快楽でもない。
 偽りの日常は生温くて心地よいが、時に追い詰められているような苦しさを感じてしまう。
 自分たちがここに存在することは間違っている。
 それを忘れることはできなかった。
 もしも叶うなら、ランサーに殺されたいと思った。
 あの日、遠い過去に心臓を槍で貫かれたあの瞬間に死んでいたら、自分はきっと幸福だった。
 アーチャーにとって、ランサーは死への憧れそのものだった。
 もう自分の存在を消したいとは思わないが、殺されたいという欲望は止められない。


「またろくでもねーこと考えてんだろ」


 ランサーが凶暴に笑った。
 そんな表情さえ整っていて、アーチャーは笑ってしまった。


「いや、君のことを考えていただけだ」


「へー、少しは俺の本気も認めてくれる気になったのかよ」


 まるで信じていないように赤い目が釣りあがるのを、アーチャーは笑みを浮かべて見つめた。
 寝所でのアーチャーは昼間の様子とはかけ離れている。
 皮肉はなりを潜め、与えられる暴力的なまでの行為にも従順だ。
 ただ、互いの間に存在する感情を否定することだけは、昼間と同じく強情ではあった。
 自然に寄せられる唇を受け入れると、角度を変えて何度も舌を絡ませる。
 受け止めきれない唾液が顎を伝って流れていく。
 体が熱を持つまで貪り続けながら、アーチャーはランサーの首に手を回した。


「ほんと、夜はこんなに素直なのにな。昼間はなんであんなに皮肉屋なんだよお前」


「昼の話など今は不要だろう。無粋だな君は」


 ただ黙って抱いて欲しい。
 言外にそう告げて、アーチャーはランサーの指を口に含むと、舌を這わせた。
 指先を軽く噛むと、ランサーが耳元で囁いた。


「あんま煽るなよ。壊したくなっちまうだろう」


 アーチャーはただ笑って答えなかったが、いっそそうしてくれればといういいのにという本心は言わずとも伝わってしまったようだった。
 ランサーは軽く舌打ちすると、大きな手でアーチャーの衣服を乱暴に乱していく。
 指で左の乳首を抓られると、いつの間にか反対側の乳首も立ってきて、アーチャーは湿った溜息をついた。
 自分を苛む指先まで整っている。
 痺れるような思考の片隅でそんなことを思った。
 持ち主の気性に反して繊細に、時に意地の悪いぐらい優しく動くランサーの指に、アーチャーはすぐに追い上げられた。
 全身をさまよう指に、過剰なまでに反応してしまう。
 ランサーに抱かれるときは、神経が全て性感帯に変わってしまったように感じてしまうようだった。
 指で体を弄られるのと同時に、肌に唇が寄せられて、アーチャーは熱く喘いだ。


「……んっ!……あっ……んっくっ……!!」


 まだ一度も触れられていないのに、アーチャーの雄は立ち上がり、切なげに震えている。
 鈴口からは、透明な先走りの液が、ぬらぬらと零れていた。
 どんなに乱れても、どこかで冷静さを失えないアーチャーだったが、行為に対する羞恥心は存在しなかった。
 自分はどこかがおかしいのだろう。
 快楽に対してひどく貪欲な自分を、どこか他人事のように見ている自分がいる。
 抱かれるならランサーがいい。
 しかし、快楽を与えてくれる相手なら、誰でもいいとも思う。
 快楽の最中では、恥と感じる心の動きがない。
 どんなことをされても、この体は喜んだし、要求されれば何でもできる。
 それは己の過去に原因があるのだろうが、戦場以外のことは、アーチャーの記憶はおぼろげだった。
 思い出せないことは思い出さなくてもいい。
 アーチャーはそう割り切っている。
 それでも、自分のような存在をランサーに触れさせるのは、彼を汚しているようだと思ってしまう。
 ランサーに抱かれたい。だけど彼に触れられるのは、半神の英雄に対する冒涜のようで怖い。
 怖いと感じる自分をアーチャーは不思議に思った。
 今更何を恐れることがあるのかと。
 守護者には何も存在しない。
 得ることも、失うことも、恐れる必要などないはずだ。
 それでもアーチャーは怖かった。
 だから余計にランサーを求める力を強くしてしまう。
 胸の飾りを舌で弄びながら、内股の際どい所を指で悪戯するランサーの首に、アーチャーは強くしがみついて抱き寄せた。
 深く口付けると、濡れた唇に長い指が三本差し込まれた。


「舐めろよ」


「ん……」


 ぴちゃぴちゃと音を立てて、指に舌を這わせて、唾液を絡ませていく。
 しばらくすると、しとどに濡れた指を、三本いっぺんに、奥の窄まりへと突き入れられて、一瞬息を呑んだが、慣れた体はさほどの痛みもなく、それを受け入れた。
 指が中で動くたびに、蕾が開閉を繰り返して、内壁が蠢く。
 それは、指を中へ中へと飲み込むような動きだった。
 良い所をわざとかするように動く指に焦れて、腰が動いた。
 誘うような動きが気に入ったのか、ランサーは喉の奥で笑うと、熱い楔を秘所にあてがった。


「全部飲み込めよ」


「あっ……あぁぁぁぁっっ! やっ! ふかっ……い……んっ!!」


 一気に根元まで受け入れさせられて、快楽と衝撃で息が止まりそうになる。


「は、全部入ってるぜ。いつもながらすげーな、おまえん中。熱くてきつくてぬめぬめしてやがる。全部飲み込んだのに、まだ奥へ持っていこうとしてるなんて、たいした淫乱だよな。普段どこに隠してるんだよ、そのやらしい顔!」


 快楽に歪んだ顔まで美しいんだなと、アーチャーは両足を抱えて動き出したランサーの顔を見つめて思った。
 灼熱の棒で貫かれたように、体が熱い。
 激しく抜き差しされる度に、涙が零れた。
 好い所を何度も激しく突かれて、アーチャーは何度も掠れた悲鳴を上げた。
 悲鳴はすぐに嬌声に変わり、強請るように何度もランサーの名前を繰り返す。


「いい声だよな。エミヤ」


「あ……よ……ぶな」


「どうして。お前の真名だろ。こんな時ぐらい呼ばせろよ。クラスじゃない、お前の名前を」


「わ……たし……は、……ただの……あっ……アーチャーでいい! それ以外の私など必要ない!!」


 涙で潤んだ瞳で睨みつけると、捕食者の赤い瞳が突き刺さった。
 ああ、怒らせてしまった。
 こうなると、アーチャーが泣いて許しを請うても、快感という苦痛にも似た強すぎる悦楽から逃がしてもらえない。
 正面からアーチャーを貫いていた楔を引き抜くと、ランサーは褐色の体を反転させて、座り込んだまま背中から抱きしめるようにして、勃起した中心を開閉する蕾に含ませた。


「ひっ……あぁぁっっ! あっ……ん……」


 自身の重みでより深くまで呑み込んだランサー自身が、体の中を掻き回していく。
 それが与える快楽の強烈さに、アーチャーは激しく身悶えた。
 上下に揺さぶられるたびに、快感のポイントを擦られて、口の端から唾液が零れて喉を伝う。
 突き上げが激しくなり、一瞬動きが止まると同時に、熱い魔力の奔流が内壁の最奥に叩きつけられた。
 体の奥でそれを感じた次の瞬間、アーチャーも白濁した液を放っていた。


「……ランサー」


 哀願するように名前を呼んだが、未だに硬さを失わない楔が抜かれることはなかった。
 体を倒されて、四つん這いの姿勢をとらされると、今度はゆっくりと円を描くような動きでアーチャーを翻弄する。
 中に出された液体が、ぐちゃぐちゃと卑猥な音をたてる。
 潤った内壁を突かれるたびに、甘い声が漏れた。
 再び体液を内側に注がれると、飲み込みきれない液体が逆流して、内股を伝って流れ落ちる。
 少し遅れて、アーチャーも二度目の絶頂を向かえ、糸が切れたように意識を失って崩れ落ちた。



 目が覚めると、まだ夜明けには遠い時刻だった。
 隣に目をやると、真っ直ぐにこちらを見つめている視線とぶつかった。


「よお。目が覚めたか? まだ寝ててもいいんだぜ」


「魔力が満ちているのに、眠る必要はないな」


 アーチャーは苦笑いする。
 英霊は夢を見ない。
 でも、これは夢だ。
 君の存在そのものが、私にとっての夢そのものだ。
 心に慣れた痛みを感じながら、アーチャーはそう思った。
 隣に横たわるランサーの体を抱きしめて、腕を絡ませると、アーチャーは啄ばむように口付けした。
 夜が明ければ消えてしまう夢のように、君のことを思っている。
 だんだん深くなるキスに意識を呑まれそうになりながら、ただ許して欲しいとアーチャーは願った。
 それがどこに届く願いなのかはわからなかったけれど。

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